ワクチンについて

□ワンちゃんのワクチン       □ネコちゃんのワクチン


    〜定期的なワクチン接種でワンちゃん・ネコちゃんを病気から守りましょう。〜
    ● ワクチンで予防できる病気は、感染した場合は命に関わる可能性の高い病気です。
    ● ワクチンで抗体をつけ、万一感染しても発症しない、または発症しても軽症で済むようにすることが目的です。
    ● 当院では年に1度。毎年同じ時期に接種することをおすすめしています(毎年DMはがきでご案内します)。
    ● 生後2ヶ月以降は、初回接種をおこなった後、母親から受け継いだ免疫が切れる頃を過ぎるまでの複数回、接種が必要です。
    ● 感染原因としては、感染しているわんちゃんやネコちゃんからの咬み傷や交尾などの「直接感染」や、咳やくしゃみによる「空気感染」、またはオーナー様が靴などに付けて外から持ち帰るケースなど多岐にわたり、完全に予防することの難しい病気です。

      ⇨それらの点から、年に1度のワクチンでわんちゃん・ネコちゃんを守る必要があると考えております。

    ※子犬・子猫のワクチン接種について、詳しくは当院へお問い合わせください。

    ※ワクチンの料金についても、お気軽に当院へお問い合わせください。

  • ワクチンによって予防できるワンちゃんの病気

    『ジステンバー』


    ジステンバーウイルスによって感染し、うつりやすく死亡率も高い犬の代表的な伝染病です。

    感染経路 :空気感染とジステンバーウイルスに感染した病犬から直接うつる場合があります。

    症状      :感染すると、「発熱や食欲がなくなる」、「膿性の鼻汁」、「目ヤニ」といった初期症状から、呼吸器系、消火器系に症状が広がり、激しい咳や下痢、脱水などが現れ、痙攣発作、後駆麻痺等の神経症状(ジステンパー脳炎)を示し、衰弱死してしまうこともあります。


    『犬コロナウイルス病』


    犬コロナウィルスによる伝染病です。

    感染経路 :感染した犬の便や尿に放出され経口感染します。

    症状    :子犬の場合は嘔吐と中~重度の水様性下痢を引き起こします。 成犬の場合は、潜伏期間が1~2日あり、発症後は軽い胃腸炎の症状のあと、多くは回復します。

          その際、別のウイルスや細菌との重複感染や二次感染を起こすと、重篤な症状を示すことがあります。


    『アデノウイルスによる感染症』

    アデノウイルスによる感染症で、1型と2型感染症の2種類があります。

    感染経路:感染した犬の便や尿に放出され経口感染します。

    症状:
    Ⅰ型→「犬伝染性肝炎」の原因ウイルス型。 子犬の突然死(かかって一晩で死ぬ場合があります)や、発熱、元気・食欲がなくなる、嘔吐、下痢、扁桃腺の腫れ、目(角膜)が白く濁るといった典型的な犬伝染性肝炎の症状をおこします。

    Ⅱ型→「犬伝染性喉頭気管炎」の原因ウイルス型。

    Kennel cough(伝染性気管気管支炎)の原因の一つで、短く、乾いた咳が出るのが特徴です。他の病原菌との混合感染で重篤化した場合、肺炎や扁桃炎など呼吸器病を引き起こします。

    ※現在、2型のワクチンで1型の犬伝染性肝炎も予防できることから、2型ウイルスに対するワクチン接種で予防を行っています。



    『パルボウイルス感染症』


    パルボ(極小という意味)ウイルスによる急性伝性病です。

    感染経路 :糞便中に排出されたウイルスが直接、もしくはチリやほこりに混じって感染し、体内で長期間生存します。たいへん抵抗性の強いウイルスです。

    症状   :母犬譲りの免疫のない子犬が突然死してしまう心筋型と、激しい下痢や嘔吐を特徴とする腸炎型があります。子犬の場合は特に症状が重篤で、死亡率も高く、注意が必要です。
          妊娠中の母犬が初期に感染すると、死流産を起こすこともあります。
          1歳以上になると無症状感染を示すこともあるので、症状がないからといって感染してないとも言い切れない怖い病気です。


    『レプストピラ症』


    細長い螺旋状の細菌“スピロヘータ”によって起こる、犬だけでなく他の動物や人にも感染の可能性がある伝染病です。

    感染経路 :病原体は尿中に排泄され、病犬の尿と接触することにより感染します。家畜を含む殆どの哺乳類が菌の宿主となり、尿中に排出しています。
          特にげっ歯類(ネズミなど)が重要な感染源になります。

    症状   :多くのタイプに分かれますが、特に深刻なのが黄疸出血型とカニコーラ型の2タイプです。
          黄疸出血型では、黄疸の他に嘔吐、下痢、歯茎からの出血・血便などがみられます。
          カニコーラ型は嘔吐、下痢による脱水症状、口内の粘膜の壊死、体温の低下などがみられます。このタイプは腎炎症状を示すこともあります。
          どちらも手当てが遅れると死に至る、怖い病気です。


    『犬パラインフルエンザ 』

    単独での感染より、犬アデノウイルス1型・2型、ボルデテラ、マイコプラズマなど、いろいろなウイルスや細菌と混合感染して発症し、一般的には呼吸器系の症状を示す伝染病です。

    感染経路 :伝染力が非常に強く、Kennel cough(伝染性気管気管支炎)の原因の一つです。
          病犬との接触や、咳やくしゃみなどから空気感染を起こすこともあります。

    症状   :気管、気管支、肺に炎症をおこし、激しい咳がでます。

          他のウイルスとの同時感染や細菌の二次感染で症状が悪化する症例が多いです。

  • ワンちゃんを上記の感染症から守るワクチン

    5種混合 【ジステンバー・犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型)・犬アデノウイルス1型・犬パラインフルエンザ・パルボウイルス感染症に有効】


    8種混合 【5種混合にレプトスピラ症(2種類の型)、犬コロナウイルス病が追加で有効】


    11種混合 【5種混合にレプトスピラ症(5種類の型)、犬コロナウイルス病が追加で有効】

    ※上記のワクチン接種にはフィラリアと狂犬病は含まれません。フィラリア・狂犬病に関しては、別途お問い合わせください。



  • ワクチンによって予防できるネコちゃんの病気

    『猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)』


    猫のヘルペスウイルスが原因の病気。猫の「鼻カゼ」とも言われます。

    感染経路 :感染猫のクシャミや分泌物などからうつります。
     

    症状   :感染すると、急に元気がなくなり、食欲も落ちてきます。発熱、鼻水、クシャミ、目ヤニなど多様な症状を示し、下痢が続いて脱水症状を起こします。

          子猫で発症して衰弱が進むと、死んでしまうこともあります。


    『猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)』

    猫のパルボウイルスが原因の病気で、感染力が強く、感染してから急激に症状がでることもあります。

    感染経路 :感染猫との接触だけでなく、感染猫の便や尿、嘔吐物で汚染された水飲み容器などを介しても拡がります。


    症状   :妊娠初期の感染で流産を起こし、それ以降の感染では生後に運動障害が認められます。
          生後2週間頃に感染すると、全身感染を起こして死亡することが多いです。

          生後2~3か月頃に感染すると、白血球が極端に減少し、発熱、激しい嘔吐、また血便や下痢がはじまり脱水症状を引き起こし、予後不良の場合が多いです。


  • 『クラミジア感染症』

    慢性持続性の結膜炎、時には角膜炎を呈します

    感染経路 :感染猫との接触(ケンカや交尾など)で感染します。

    症状   :2~3週間ほど潜伏した後、結膜炎や角膜炎をおこします。
          粘性の目やにと鼻汁、くしゃみなどを起こし、まれに肺炎まで引き起こします。


  • 『猫カリシウイルス感染症(FCV) 』

    猫カリシウイルスにより呼吸器症状を示し、猫の〔インフルエンザ〕とも呼ばれています。

    感染経路 :クシャミの飛沫による拡散などの感染猫との直接接触により感染しますが、手、衣服、食器などの媒介物も感染経路です。

    症状   :数日の潜伏期を経て、クシャミ、鼻水、咳、発熱といった鼻気管炎とよく似た症状が現れます。
          さらに症状が進むと、舌や口の周辺に水泡や潰瘍ができます。
          2次感染により肺炎を併発して死ぬこともあります。



  • 『猫白血病ウイルス感染症(FeLV)』

    レトロウイルスによって引き起こされる病気。白血病の原因となる場合が多い

    感染経路 :感染猫の唾液を介して拡がります。

          糞便や尿ノミなどの寄生虫を介して拡がる頻度は低いので、ネコ同士の直接接触や食器の共有などに注意が必要です

    症状   :その名の通り白血病の原因となり、免疫疾患や再生不良性貧血、流産などを起こします。
          リンパ腫を引き起こし、発生箇所によって呼吸器や腎臓にまで影響を与えることもある、恐ろしい病気のひとつです。
          生後間もない子猫が感染しても、発病しやすく死亡率が高い病気です。



    『猫エイズワクチン 』


    猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)は、猫免疫不全ウイルスの感染によって長い無症候期を経て、免疫不全状態に陥り、遂にはAIDS(エイズ)を発症して死に至る恐ろしい病気です。 

    感染経路:ネコエイズウイルスは、このウイルスに感染している猫の血液、唾液、乳汁、精液に含まれています。このため、猫同士の喧嘩などによる咬み傷からウイルスが体内に侵入して感染する場合がほとんどです。
         ネコエイズに感染した母猫から生まれてくる子猫に感染することもあります。

    症状  :ネコエイズウイルスに感染した当初、発熱や下痢、リンパ節の腫脹等がみられます。
         その後は多くの場合で症状が消え、外見上回復したようになります。この期間は、数年間からそれ以上続き、この間も病気はゆっくりと確実に進行していきます。
         やがて免疫力が低下し、治りにくい口内炎や鼻炎などといった慢性炎症や、慢性感染症にかかるようになります。
         さらに進行してAIDSを発症すると、著しい体重の減少や貧血がみられたり、健康な猫では感染しないような弱い病原体(腸内に住んでいる常在細菌など)でもひどい症状が出たりします。
         また、リンパ腫などの様々な腫瘍を併発する例も多くみられます。
         こうなると多くの場合、数ヵ月以内に死に至ります

    ※ネコエイズのワクチンは、初年度のみ3週間間隔で3回射ち、その後は年に一度の追加接種が必要です。

  • ネコちゃんを上記の感染症から守るワクチン

    3種混合 【猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症(FCV)・猫汎白血球減少症(猫伝染性胃炎)に有効】


    4種混合 【3種混合に猫白血病ウイルス感染症(FeLV)が追加有効】


    5種混合 【4種混合にクラミジア感染症が追加有効】

    猫白血病ウイルス感染症 【FeLVのみのワクチン】

    猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)【FIVのみのワクチン】